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(Wed)00:57

20170516 Tue. 新国立劇場「マリアの首」

新国立劇場 かさなる視点ー日本戯曲の力ーVol.3 「マリアの首」~幻に長崎を想う曲~
◯The Head of Mary: Nagasaki is as Theophany
◯2017年5月10日(水)~28日(日)
◯新国立劇場小劇場The Pit
◯5月16日13時拝見 2時間35分(休憩15分) C1列4番
◯シアタートークあり



◯作:田中千禾夫
◯演出:小川絵梨子
◯美術:堀尾幸男
◯照明:服部 基
◯音楽:阿部海太郎
◯音響:福澤裕之
◯衣裳:中村洋一
◯ヘアメイク:佐藤裕子
◯方言指導:木下藤次郎/川原安紀子
◯大道具:俳優座劇場舞台美術部 石元俊二/リンペット/林 正
◯小道具:高津装飾美術 中村エリト
◯出演:
鹿:鈴木 杏
忍:伊勢佳代
静:峯村リエ
第一の女:西岡未央
第二の女:岡崎さつき
次五郎/第4の男:谷川昭一朗
矢張/第5の男:亀田佳明
桃園/第3の男:齊藤直樹
巡査/第1の男:チョウ・ヨンホ
坂本医師/第2の男:山野史人

正直、この若い人たちに、焼け跡の人々の雰囲気を出せることはなかろうと思っていたが、なんのなんの、セットのリアルさも手伝って、長崎の原爆でやられた人たちの蠢きが、実際伝わってくるようだった。好演。

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「戦後日本演劇の傑作」と称せられる、「マリアの首」を、初演(1959年)は勿論のこと、他の劇団による公演も目にしたことはなく、全くの初見である。記録によると、初演の際の主演の鹿は楠侑子、忍が渡辺美佐子、静が馬場由美子、次五郎が小山田宗徳、矢張が藤田啓二、桃園が城所英夫、巡査が早野寿郎、第3の男が林 昭夫、第4の男が渥美国泰、と言ったそうそうたるメンバーである。戦争を直接体験した世代による「マリアの首」と戦争を知らない現代っ子たちの「マリアの首」がどのように違っているのか知る由もないが、今回の公演は、極力時代に溶け込もうと悪戦苦闘する、若い俳優たちの血と汗の結晶、のようなものである。

少し傾斜した八百屋舞台の中央に作られたセット、ときに回転し、時に娼婦の部屋になり、時に病院になり、時に桃園夫婦のアパートになり、そして、最後には原爆でやられた浦上天主堂の廃墟に転じて、印象的な作り。冒頭から、昼は看護婦をしながら夜は娼婦の生活をする、顔にケロイドを負った鹿という女性、そのそばで詩集や薬を売る忍、そして、病院の看護婦をしている静、という3人の女性を中心に、戦後の荒廃した世相を表現しながら、様々な人間がうごめくように、登場する。

この稿続く。



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