20180205 Mon. 映画「ローズの秘密の頁」(A Secret Scripture) 

映画「ローズの秘密の頁」(A Secret Scripture)

原題 The Secret Scripture
製作年 2016年
製作国 アイルランド
配給 彩プロ
上映時間 108分
映倫区分 G

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監督:ジム・シェリダン
製作:ノエル・ピアソン/ジム・シェリダン/ロブ・クイグリー
製作総指揮:ギャビン・プールマン/アンドレア・スカルソ/ニコラス・シャルティエ/ジョナサン・デクター/コーマック・クロフォードジェレ・ハリス/オーウェン・コルファー
原作:セバスチャン・バリー
脚本:ジム・シェリダン/ジョニー・ファーガソン
撮影:ミハイル・クリチマン
美術:デレク・ウォラス
衣装:ジョーン・バーギン
編集:ダーモット・ディスキン
音楽:ブライアン・バーン
キャスト
ルーニー・マーラ:若かりしローズ
バネッサ・レッドグレーブ:老年のローズ
エリック・バナ:スティーブン・グリーン医師
ジャック・レイナー:マイケル・マクナルティ
テオ・ジェームズ:ゴーント神父

<解説>
「ドラゴン・タトゥーの女」「キャロル」のルーニー・マーラ主演、「父の祈りを」で第44回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したアイルランドの巨匠ジム・シェリダン監督がメガホンを取った人間ドラマ。取り壊しが決まった精神病院から転院する患者たちを診察するため、病院を訪れた精神科医のスティーブン・グリーンは、赤ん坊殺しの罪で精神障害犯罪者として40年もの間病院に収容されている老女ローズ・F・クリアを看ることに。自分の名が「ローズ・マクナリティ」であると訴え続ける彼女は、赤ん坊殺しの罪を否認し続け、大切にしている聖書の中に何十年にもわたって密かに日記を書きつづっていた。興味を抱いたグリーン医師に、彼女は半世紀前からの自分の人生を語り始める。マーラが若き日のローズを、老年のローズをイギリスを代表する大女優バネッサ・レッドグレーブがそれぞれ演じるほか、エリック・バナ、テオ・ジェームズ、ジャック・レイナーらが脇を固める。(映画com)

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不幸な時代の不幸な男女の恋、というより、その背景にある、アイルランドの悪夢のような社会が、とても気になった映画「ローズの秘密の頁」(A Secret Scripture)拝見。

「父の祈りを」(これもいい映画だった)で第44回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したアイルランドの巨匠ジム・シェリダン監督がメガホンを取った人間ドラマ、という触れ込みの、アイルランドの北西に位置するスライゴーという町が舞台。<イェイツの詩によって、文学的付加価値を付加された景勝地>、と。

精神病院で暮らす老女ローズという女性をヴァネッサ・レッドグレイヴ。若き日のローズをルーニ・バーナー。共に、意思の光を目にたたえた、美しい女性たち。日本にはいない女性のイメージ。

このローズが掠め取られた、アイルランドの、つい先年まで存在した禍々しい、未婚の母を収容した現実。1990年にメアリー・ロビンソンが大統領に選ばれた国であるのに、そのちょっと前まで、婚外子を妊娠した女性は、まるで囚人のように隔離され、奴隷労働を強いられた現実とカトリックのシステム。(しかし、最後の施設が閉鎖されたのは1996年とも聞くが)。

映画「マグダレンの祈り」(これは胸の痛い、心が苦しい映画であった)で始めて知った、アイルランドのカトリックの罪。結婚以外の男女の恋や関係は、すべて不貞とされて、そうみなされた未婚の女性は、「マグダレン洗濯所(マグダレン精神病院)」のような施設に隔離されて、洗濯などの重労働に無報酬で強いられた、という現実。

そこで生まれた子どもたちは選別されて、アメリカやイギリスに養子に出された一群と、残されて、そこでまた奴隷働きをするか、亡くなった子どもたちの墓が、1990年代に発見されたというニュースを知った)。

ジュディ・デンチが主演した「フィロミーナ(あなたを抱きしめる日まで)」では、無理やりもぎ取られてアメリカに養子に出された子どもを50年後に探し求める老女の旅路を描いていたが、彼女は生きて会うことはできなかった。

この映画のローズも同じように、我が子を殺したということで閉じ込められた精神病院で、自分の思いを綴った秘密の書を、50年後に紐解いて、その秘密をとき明かしてくれた、精神科医エリック・バナとの奇跡の遭遇。

暗く陰鬱な事実の積み重ねに、胸打ちひしがれる思いはするが、最後の奇跡で、心が軽くなり、熱くなった。(facebook)


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